漫画の持ち込み・投稿ガイド|必要なページ数・原稿規格と、締切から逆算する進め方

持ち込みと新人賞投稿でいちばん多い失敗は、作品の出来ではなく締切までに完成しなかったこと。必要なページ数・原稿規格・データ形式の相場から、締切から逆算する工程別スケジュール、間に合わないときに削れるもの・削れないものまでまとめました。

漫画の持ち込み・投稿ガイド|必要なページ数・原稿規格と、締切から逆算する進め方

持ち込みと新人賞投稿でいちばん多い失敗は、作品の出来ではなく「締切までに完成しなかった」ことです。どれだけ良いアイデアを持っていても、原稿が途中で止まれば編集者に見てもらう機会そのものがなくなります。

この記事は、画力や演出を上げるための記事ではありません。決まった締切までに、規定のページ数を完成させるための逆算の進め方をまとめます。

先に要点です。

  • ページ数と規格を、描き始める前に確定させる:半分描いてから「32ページ前後だった」と気づくのが最大のロスです
  • 日付ではなく工程で期限を切る:「いつまでに描く」ではなく「いつまでにネームを終える」で管理します
  • 間に合わないときに削るのは背景と仕上げ。ネームとページ数は削れません

制作工程そのものの流れはAI漫画の作り方にまとめています。この記事は、その流れに「締切」という制約を重ねたものと考えてください。

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※2026年10月25日時点の情報です。本文に挙げるページ数や規格は一般的な目安と各社の公開情報であり、条件は編集部・賞によって大きく異なります。応募前に必ず最新の募集要項をご確認ください。

持ち込みと投稿の違い

まず、自分がどちらに向かっているのかをはっきりさせます。似ているようで、締切の性質も求められる完成度も違います。

項目持ち込み新人賞への投稿
渡し方編集部に直接。事前に予約や申し込みをして、編集者に見てもらう公募に応募する。郵送またはWebアップロード
締切自分で決められる(予約した日が締切になる)賞ごとに固定。動かせない
反応その場で講評がもらえる。質問もできる結果発表まで数か月かかることが多い
完成度編集部によってはネームでも相談できる場合がある原則として完成原稿

ここで重要なのは締切を自分で動かせるかどうかです。持ち込みは予約日をずらせますが、ずらせるぶん永遠に完成しないという事故が起きます。新人賞は動かせないかわりに、否応なく手が動きます。

また、持ち込みは編集部によって受け付ける形が異なります。たとえば週刊ヤングジャンプのオンライン持ち込みは「漫画完成原稿・ネームでの持ち込みのみ受け付けております。文章のみのプロットは原則受け付けておりません」と案内されており、講評時間は30分程度とされています(公式サイト・2026年10月25日確認)。ネームの段階でも相談できる窓口があるかどうかは、間に合わせる計画を立てるうえで大きな分かれ目になります。検討している編集部の案内を先に読んでおいてください。

何を用意するのか

用意するものは「ページ数」「原稿のサイズ」「データ形式」の3つです。繰り返しになりますが、ここは賞・編集部ごとに違います。以下はあくまで相場感をつかむためのものです。

ページ数の目安

公開されている募集要項を並べると、ばらつきの幅が見えてきます。

賞の例ページ数の規定
小学館 新人コミック大賞ストーリーまんが32ページ前後/ギャグまんが16ページ前後/4コマまんが10本以上
週刊少年マガジン 新人漫画大賞50ページ以内
別マ新人まんがグランプリ(完成原稿部門)8ページ以上、枚数無制限

※各公式サイトにて2026年10月25日確認。回ごとに変更される場合があります。

読み切りの中心は30ページ前後と考えておくと、ほとんどの賞に対応できます。計画段階ではこの数字で逆算し、応募先が決まった時点で調整してください。ページ数は賞によって異なるため、必ず募集要項を確認してください。

原稿のサイズ

投稿用の原稿用紙はB4サイズが一般的です。市販のまんが原稿用紙を使えば、内枠(確実に印刷される範囲)や仕上がり線があらかじめ印刷されているので迷いません。小学館 新人コミック大賞は「用紙幅:横230〜260ミリ 縦330〜370ミリ」「まんが版面:横180ミリ 縦270ミリ」と案内しています(2026年10月25日確認)。

デジタルで描く場合も、同じ原寸サイズのテンプレートを使います。セリフや見せ場を内枠の外に置くと断裁で切れるため、枠の意味は先に押さえておいてください。詳しくは漫画のコマ割りの基本と型集で解説しています。

データ形式

デジタル原稿は、解像度と階調の指定がほぼ共通しています。

項目よくある指定
解像度モノクロ2階調(白黒2値)で600dpi以上
サイズB4原稿の原寸
保存形式TIFF・PSD・PDFのいずれか(賞によってPNG・JPGも可)
追加提出「セリフあり」「セリフ無し」2パターンを求める賞もある

カラー原稿を求められる場合は指定が変わります。形式・解像度は賞や編集部によって異なるため、必ず募集要項を確認してください。ここを締切直前に読むと、書き出しのやり直しで半日消えます。応募先を決めた日のうちに、提出形式まで読み切っておいてください。

締切から逆算するスケジュール

ここからが本題です。30ページ前後の読み切りを1か月で仕上げる場合を例に、日付ではなく「この時点で何が終わっているか」で区切ります。

残り期間終わっているべきことここで判断すること
1か月前応募先の決定/募集要項の読み込み/プロットの確定総ページ数を数字で固定する
3週間前全ページのネーム完成(粗くてよい)ページ数が規定を超えていないか
2週間前全ページの下書き完成背景をどこまで描くか決める
1週間前ペン入れ(線画)完成間に合わない箇所を切り捨てる最終判断
3日前ベタ・トーン・仕上げ完成修正に充てられる残り時間の確認
前日データ書き出し・形式チェック・通し読み提出方法の最終確認

このスケジュールの肝は、全体の4分の1を使ってネームを終えることです。ネームが遅れると後ろの工程すべてが連鎖的に押し、最後は仕上げを捨てることになります。

もうひとつ重要なのが、「粗くてもいいので全ページを通す」を各工程で守ることです。1ページ目から順に完成させていく進め方は、未完成のまま締切を迎える典型的なパターンです。ネームなら全ページのネーム、下書きなら全ページの下書きと、横に揃えて進めてください。途中で力尽きても「全ページが下書きまで終わっている作品」なら、まだ巻き返せます。

工程別にかかる時間の目安

逆算するには、各工程にどれくらいかかるかの相場が必要です。

工程時間の見積もり方AIを使った場合
ネーム最も振れ幅が大きい。全体日程の3〜4割を確保しておく構成の相談や案出しで短縮できる
下書きペン入れとセットで見積もるラフのまま線画化すれば工程ごと省ける場合もある
ペン入れ(線画)速い人でも1ページ2時間以上かかることが多い1ページ30〜50分
仕上げ(ベタ・トーン/着彩)1ページ1時間以上1ページ20〜30分

AI活用時の数字は、AI漫画の作り方で紹介している読み切り4ページの制作事例(合計約5時間/手作業なら12時間以上の想定)に基づく目安です。

この表を見ると、時間を食うのはペン入れ以降なのに、遅れの原因はほぼネームにあるという構造が分かります。ネームが3日遅れると、残りの工程で3日ぶんの手を動かすことになり、現実的に取り返せません。工程別のツールの使い分けはAI漫画は何で作る?工程別のツールの選び方にまとめています。

間に合わないときに削れるもの・削れないもの

締切1週間前に「終わらない」と分かったとき、何を捨てるかであなたの原稿が提出できるかどうかが決まります。やみくもに手を速めるのではなく、順番を決めて削ってください。

要素判断理由
背景の描き込み削れる白場・簡略化・トーン処理でも話は伝わります。真っ先にここを削ります
トーンの重ね・効果削れる密度は評価の中心ではありません。ベタで締まっていれば読めます
モブ・群衆削れる人数を減らす、引きの構図にする、影で処理するで時間が大きく浮きます
こだわりの大ゴマ1枚条件つきで残す山場の1枚だけは残します。2枚目以降は削ります
ページ数削れない規定を下回ると規格外になります。構成を圧縮して対応します
ネームの完成度削れない話が伝わらない原稿は、絵が上手くても評価されません
データ形式の確認削れない規定違反は中身を見てもらえません。最後の30分は必ず確保します

原則はひとつです。「読者に話が伝わるかどうか」に効くものは残し、「密度」に効くものから削る。背景のラクな作り方は漫画の背景をラクにする方法にまとめています。

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よくあるつまずき

ネームで止まる

最も多いつまずきです。原因はたいてい「完成形のネームを一発で描こうとしている」ことにあります。

対策は、精度を捨てて全ページを通すことです。丸と棒線でコマを割り、セリフだけ入れて最後まで到達させます。そのうえで2周目を直す。1ページ目を20回直すより、粗い30ページを3周するほうが早く良くなります。手順は漫画のネームとは?作り方の手順で解説しています。

背景が終わらない

背景は「描くのが一番大変なのに、評価の中心ではない」工程です。締切直前にここで時間を溶かす例が目立ちます。

対策は、下書きの段階で背景の方針を決めておくことです。「このページは白場」「ここは素材」「ここだけ描く」と先に振り分けてしまえば、ペン入れ中に迷いません。描く分の指示出しは漫画のコマを作画するAIプロンプト集も参考になります。

ページ数が膨らむ

描いているうちに「この会話も必要」「この説明も入れたい」とページが増え、32ページのつもりが45ページになる——これもよくあります。

対策は、ネームの段階でページ番号を振り、1ページに起きる出来事を1〜2個に限定することです。超えそうになったら、増やすのではなくどのページを消すかを考えます。説明を1ページ使って描いているなら、たいていセリフ1行に置き換えられます。

copainterの漫画エージェントで締切に間に合わせる

ここまで書いてきたとおり、持ち込み・投稿で問われるのは「どれだけ上手いか」より先に「締切までに終わるか」です。そして終わらない原因は、たいてい技術ではなく、判断に時間がかかることと、手数が足りないことの2つに集約されます。

copainterの漫画エージェント(リリースのお知らせ)は、「編集担当兼イラストレーターのようなAIエージェント」として、アイデア出し・プロット・シナリオから、キャラクターやコマの作画までを一貫してサポートします。ネームで止まったときは相談相手として、ペン入れが押しているときは手数として使えるのが、締切がある制作と相性のよいところです。

特徴は、すべてをAIに任せる必要がないことです。工程ごとにAIへ任せる範囲を選べるので、「話と構成は自分で決めるが、背景とモブだけ任せたい」「ネームは自分で切ったので、線画の手数だけ借りたい」という使い方ができます。持ち込み・投稿作品は自分の作家性を見てもらうものなので、削りたくない部分は自分の手で残したまま、押している工程だけ短縮するという進め方ができます。

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まとめ

持ち込みも新人賞投稿も、出せなければ何も始まりません。応募先を決めた日のうちにページ数・サイズ・データ形式を確定させ、締切から逆算して工程ごとの期限を切る。各工程は粗くてよいので必ず全ページを通し、間に合わなくなったら背景・トーン・モブの順に削る。ネームとページ数と提出形式だけは守る。この順番で進めれば、締切に間に合う確率はかなり上がります。判断や手数が足りない部分は、AIを相談相手として使いながら進めてみてください。

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