AI漫画の作り方【2026年版】|工程別の手順・ツール選び・制作事例(4ページを5時間で)
AIで漫画を作る方法を工程別に解説。ネーム・線画・着彩・背景のどこをAIに任せるか、キャラの一貫性を保つ下準備、読み切り漫画4ページを約5時間で制作した事例(画像つき)、制作時間の目安とツールの選び方まで。
AIで漫画を作るとは、「AIに1話を描かせる」ことではありません。ネーム・線画・着彩・背景という工程ごとに、AIに任せる範囲を決めて組み合わせる作業です。この記事では、実際にcopainterで制作された読み切り漫画(4ページ)を例に、工程別の手順と時間、ツールの選び方までを通して解説します。
先に要点をまとめます。
- AIが効くのは線画・着彩・背景の3工程:話づくりとネームは人の仕事。セリフ・写植も手作業が確実です
- 最大の壁はキャラの一貫性:基準画像→三面図→表情差分の下準備を先に済ませると、本編が止まりません
- 事例では4ページを約5時間で制作:手作業なら12時間以上かかる想定の半分以下です
※2026年10月更新:工程別の早見表・ツール選び・制作時間の目安を追記しました。制作事例は2025年8月20日公開の読み切り「Shibuya_Zensen <Yoiyami>」の冒頭4ページです。
AI漫画制作の全体像(工程別にできること)
| 工程 | AIの適性 | 任せられること | 人がやること |
|---|---|---|---|
| プロット・話づくり | △ 補助まで | 壁打ち、展開案の列挙 | 決定と演出 |
| キャラクターデザイン | ○ 案出しに有効 | ラフ案の量産、三面図・表情差分の生成 | 選ぶ・削る・確定 |
| ネーム・コマ割り | △ 叩き台まで | コマ割り案、アタリ | 構図と流れの決定 |
| 線画・ペン入れ | ◎ 最も効く | ラフからの線画生成(1ページ30〜50分) | 手・ロゴ・文字の修正 |
| 着彩・仕上げ | ◎ 時短が大きい | 下塗りからの着彩(1ページ20〜30分) | 下塗り、小さいコマの加筆 |
| 背景 | ◎ 効果大 | 写真からの背景線画化、生成、素材 | パースと配置の確認 |
| セリフ・写植 | × 手作業 | — | 吹き出し・文字入れ |
効果が大きいのは線画・着彩・背景。逆に話づくりと写植はAIに任せても時短になりません。ここを最初に割り切るのが、AI漫画で挫折しないコツです。
準備:キャラクターの基本セットを作る
漫画は同じキャラが何十回も登場するため、1枚絵より厳しい一貫性が求められます。本編に入る前に次の3点を用意しておくと、コマごとに顔が変わる問題をほぼ防げます。
以降の生成では、この3点を参照画像として毎回渡します(同じキャラを描く方法)。
工程1:ネーム——コマ割りと構図を決める
ネームは作家の意図が最も出る工程で、ここはAIに任せません。AIが補助できるのは「コマ割りの叩き台」と「アタリ出し」までです。
事例では、まず入力用のネームを手描きで用意しました。

次に、線画化するコマを1つずつ切り抜きます。セリフや吹き出しなど、線画化しない部分は極力除いておくのがポイントです。背景がメインのコマは後からAIで作るため、ここでは省略しています。




切り抜いたコマ セリフや吹き出しなど、線画化しない部分は極力除く
ネームの基本(コマ割り・視線誘導・描き方)は漫画のネームとは?作り方の手順で解説しています。
4コマなら「ネームから一括生成」も選択肢
ストーリー漫画ではなく4コマなら、枠とラフだけのネーム画像を渡して、コマごとの指示(登場人物・背景・表情・位置)をプロンプトで書けば、AIアシスタントで完成原稿に近い画像を一括生成することもできます。その後、吹き出し・セリフ・描き文字を手で足して完成です(手順はAIアシスタントで簡単マンガ制作)。
工程2:線画——ラフから線画への変換をAIに任せる
AI漫画で最も効果が出る工程です。切り抜いたコマを線画生成AIに通し、忠実度を調整しながら、1コマにつき3〜5枚ほど生成してベストな1枚を採用します。




出力された線画
出力された線画をネームの配置に戻し、崩れた箇所(赤で示した部分)を手で修正します。

修正を終えると、1ページ分の線画が30〜50分で完成しました。背景メインの1コマ目は画像生成で作り、その他は手作業で整えています。

残りの3ページも同じ流れです。手作業で直したのは主に、ロゴ・テキスト・背景効果・手の指・キャラデザの一貫性でした。


ネーム→線画(2ページ目) 手作業での主な修正箇所:ロゴ、テキスト、背景効果


ネーム→線画(3ページ目) 手作業での主な修正箇所:ロゴ、テキスト、キャラデザの一貫性


ネーム→線画(4ページ目) 手作業での主な修正箇所:手の指、背景、キャラデザの一貫性
ネームを線画にする工程は、速い人でも1ページ2時間以上かかることが多い作業です。AIを使えば1ページ1時間かからずに仕上がります。
- 忠実度の考え方:絵柄を残したいなら忠実度を上げて「線を整えるだけ」に。ラフが荒いなら下げてAIに補完させる
- 崩れやすい場所:手の指、重なった線、小さい顔。ここは最初から手で直す前提にする
- ラフの描き方や使い分けの詳細:ラフから線画を作る方法まとめ/ペン入れとは?
工程3:着彩・仕上げ——AI着彩で塗り込みを時短する
線画が整ったら、下塗りは手作業、着彩はAIという分担です。下塗りで「どこが何色か」を指定しておくと、AIが影や質感を含めて塗り込みます。
- 画像はアップロード上限に合わせてリサイズする(事例時点では合計4.5MB・6000×6000px以内)
- 着彩そのものは1ページ5〜10分。下塗りを含めても1ページ20〜30分
- 小さいコマは塗りが潰れやすいので、書き文字と一緒に最後に加筆する


下塗り→着彩・仕上げ(1ページ目)


下塗り→着彩・仕上げ(2ページ目)


下塗り→着彩・仕上げ(3ページ目)


下塗り→着彩・仕上げ(4ページ目)
塗り方の基本と手塗りとの使い分けは色塗りのやり方まとめ/AI着彩とは?をご覧ください。
工程4:背景——描かずに用意する3つの方法
背景は「描くのが一番大変で、AIに任せても品質の差が出にくい」工程です。3つの方法を使い分けます。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 写真を背景線画に変換 | 実在の街・室内・学校など、資料写真がある場面 | 自分で撮った写真を使う。人物・ロゴの写り込みに注意 |
| AI生成 | ファンタジー・SFなど写真がない世界観 | パースがコマの構図と合うか確認 |
| 配布素材 | 定番の場面(教室・カフェ・街並み) | 商用可・トレース可の素材を選ぶ |
copainterでは写真背景変換と、無料の背景素材の両方が使えます。背景全体の考え方は漫画の背景をラクにする方法にまとめています。
制作時間の目安(事例:4ページ)
| 工程 | AIあり(事例) | 手作業の想定 |
|---|---|---|
| ネーム | 手描き(AI補助なし) | 同じ |
| 線画 | 1ページ30〜50分 | 1ページ2時間以上 |
| 着彩・仕上げ | 1ページ20〜30分 | 1ページ1時間以上 |
| 4ページ合計 | 約5時間 | 12時間以上 |
理論上はページ作業の約75%をAIが担えます。空いた時間は、こだわりたい表現や演出に回せます。
ツールの選び方
| タイプ | 得意なこと | 弱点 | 漫画での主な用途 |
|---|---|---|---|
| 汎用の画像生成AI(nano bananaなど) | キャラ案出し、背景生成、4コマの一括生成 | 出力がレイヤーなしの1枚絵 | 案出し・背景・差分 |
| イラスト制作特化ツール | ラフ→線画、着彩、レイヤー分けなど工程そのもの | 自由な表現は汎用AIに劣る | 線画・着彩の本番工程 |
| 素材・アセット | すぐ使える、品質が安定、権利が明確 | 欲しい構図が無いことがある | 背景・ポーズ資料 |
「全部やってくれる1つのツール」は存在しないので、工程ごとに組み合わせるのが現実的です。工程別の組み合わせ例はAI漫画は何で作る?工程別のツールの選び方で詳しく整理しています。
AI漫画制作の注意点
- 権利面の確認:生成画像に他社ロゴや既存作品に似た表現が混ざっていないかを公開前に確認(AIイラストの商用利用と著作権)
- 投稿先の規約:媒体によってAI生成物の扱い・開示ルールが異なります
- データの扱い:未公開原稿をアップロードするなら、学習に使われない設計のサービスを選ぶ
- レイヤーが無い問題:生成画像は統合された1枚絵。後から直すならレイヤー分けしてPSD化しておく
AI漫画制作でよくある質問
AIで作った漫画は商用利用できる?
利用するツールの規約によります。copainterでは、プロンプトに使った画像や生成結果がAIの学習に使用されない設計になっており、商用利用にも対応しています。他ツールを併用する場合は、それぞれの規約と学習データの扱いを確認してください。
絵柄は自分のものを維持できる?
維持できます。自分のラフや線画を入力として使うタイプのAIであれば、絵柄の特徴を保ったまま作業だけを時短できます。ゼロからプロンプトで生成する方式とは性質が異なる点に注意してください(自分の絵柄をAIに再現させる方法)。
絵が描けなくても作れる?
4コマなど短い形式なら、枠とラフだけのネームからAIアシスタントで形にする方法があります。ただしストーリー漫画で品質を保つには、ネームと修正に人の手が必要です。
どの工程から導入するのがおすすめ?
最も効果が出やすいのは線画(ペン入れ)工程です。時間がかかるわりに作業が定型的で、AIとの相性が良いためです。次に着彩、最後にネーム補助の順で広げると導入しやすくなります。
copainterで漫画を作る
イラスト制作サポートツールのcopainterは、この記事の工程をひととおりカバーしています。
- 線画・ペン入れ:ラフから線画を生成。忠実度で「整えるだけ」から「AIで変換」まで調整
- 着彩:下塗りからの塗り込みを数分で
- 写真背景変換・背景素材:背景を描かずに用意
- AIアシスタント:三面図・表情差分・4コマの一括生成
- レイヤー分け:生成画像をPSD化して手直し
- アップロードした画像や生成結果がAI学習に使用されないため、未公開の原稿でも安心です
>AIイラスト制作サポートcopainter/コペインターを使ってみる<
▼ 事例作品 Shibuya_Zensen <Yoiyami> の詳細
https://nft.jp.mercari.com/project/83833f0a-6f9d-4b31-9bfb-db9fd2ff8604
▼ 読み切り漫画の閲覧
https://x.com/Shibuya_Zensen/status/1956196664710193369
まとめ
AI漫画の作り方は、ネーム→線画→着彩→背景の工程に分け、線画・着彩・背景をAIに任せること。そして本編に入る前に、基準画像・三面図・表情差分でキャラを固めておくこと。この2つを守れば、事例のように4ページを5時間前後で仕上げられます。