VTuber・Live2D向けの立ち絵と差分の作り方|パーツ分けの基本ルール
Live2D化を前提としたVTuber立ち絵の作り方を解説。目・口・髪のパーツ分けルール、隠れた部分を描く理由、AI生成の1枚絵からPSD化する手順、発注前チェックリストまでまとめました。
VTuber用の立ち絵は、普通のイラストとは「納品物の形」が違います。1枚の完成絵ではなく、目・口・眉などがパーツごとにレイヤー分けされたPSDが必要で、そこを知らずに描き上げてしまうと、Live2D化の段階で全部描き直しになります。
先に要点をまとめます。
- レイヤー分けは「あとで分ける」ではなく「最初から分けて描く」:統合してしまうと作り直しになります
- 隠れている部分まで描く:閉じた口の下、前髪に隠れた眉など、動かすと見える箇所が必要です
- AI生成の1枚絵からでも復旧できる:レイヤー分けAIでPSD化すれば、Live2D用の下地に近づけられます
この記事では、Live2D化を前提とした立ち絵の作り方と、パーツ分けの具体的なルールを解説します。立ち絵そのものの基本設計は立ち絵の作り方をご覧ください。
※2026年9月時点の情報です。実際の仕様はモデラーさんや制作環境によって異なるため、発注前に必ず確認してください。
VTuber立ち絵が普通のイラストと違う3点
| 項目 | 通常のイラスト | VTuber立ち絵(Live2D前提) |
|---|---|---|
| 納品形式 | PNG1枚 | レイヤー分けされたPSD |
| 隠れる部分 | 描かなくてよい | 動くと見えるので描く必要あり |
| ポーズ | 自由 | 正面〜やや斜めの素立ちが基本 |
いちばん見落とされるのが2番目です。Live2Dは平面のパーツを動かして立体的に見せる仕組みなので、「今は隠れているが動かすと出てくる部分」が必要になります。
パーツ分けの基本ルール
顔まわり(最も細かく分ける)
- 眉:左右別レイヤー。前髪に隠れていても全体を描く
- 目:白目/黒目(虹彩)/ハイライト/まつ毛/まぶた を左右別に。黒目は動くので、白目は黒目に隠れる部分まで描く
- 口:閉じた状態と開いた状態の両方。口内(歯・舌・口の中の影)も必要
- 鼻・頬の赤み:別レイヤーにしておくと表情変化で使えます
- 輪郭・肌:顔のベース
髪(前・横・後ろで分ける)
- 前髪/横髪(左右別)/後ろ髪/アホ毛 を分ける
- 前髪の下の額も描いておく:髪が揺れると見えます
- 房ごとに分けると揺れの表現が細かくなりますが、その分作業量は増えます
体(可動部で分ける)
- 首/胴/腕(上腕・前腕で分けると可動域が広がる)/手
- 体に隠れた腕や、髪に隠れた肩も描く
- 服の装飾で揺らしたいもの(リボン、スカートの裾など)は独立レイヤーに
AI生成の立ち絵からLive2D用に持っていく手順
AIで作った1枚絵は統合された状態なので、そのままではLive2D化できません。次の流れで下地を作ります。
- 立ち絵を生成する:素立ち・正面〜やや斜め・全身が入る構図で(プロンプト例は立ち絵の作り方)
- レイヤー分けAIでPSD化する:線画・色・影・背景に分離できます(レイヤー分けする方法)
- パーツ単位に分け直す:ここは手作業。上のルールに沿って目・口・髪などを切り出します
- 隠れている部分を描き足す:口内、前髪の下の額、白目の隠れ部分など。この工程だけは省略できません
- 表情差分を用意する(表情差分の作り方)
AIは「1〜2の下地づくり」と「4の描き足しの叩き台」に使い、3の分解と最終調整は手でやる——これが現状の現実的な分担です。
発注前のチェックリスト
モデラーさんに依頼する場合、次を確認しておくと手戻りが減ります。
- PSDのレイヤー構造と命名規則の指定はあるか(フォルダ分けのルールなど)
- キャンバスサイズ・解像度の指定(大きめ推奨。縮小はできても拡大は劣化します)
- 背景は透過か、別レイヤーか
- どこまで動かしたいか(髪の揺れ、腕の可動、体の傾きなど)で必要なパーツ数が変わります
- 隠れ部分の描き込みはどこまで必要か
- AI生成物の使用可否:制作フローにAIを使ったことを事前に伝えておくのが無難です(商用利用と著作権)
よくある失敗
- 統合して書き出してしまう:最も多い失敗。PSDのレイヤーを保ったまま保存してください
- 解像度が足りない:配信画面で拡大表示すると粗が出ます
- 前髪が目に深く被っている:目の動きが見えなくなり、表情が伝わりません
- 腕を組んだポーズで描いた:可動範囲が極端に狭くなります。素立ちが基本です
- 線画と塗りが一体化している:色替えや調整ができません。ここはレイヤー分けAIで救済できる場合があります
copainterで下準備を効率化する
イラスト制作サポートツールのcopainterは、VTuber立ち絵の準備工程と相性が良い機能を持っています。
- レイヤー分け・PSD書き出し:統合画像を線画・色・影に分離し、パーツ分けの下地が作れます
- 表情差分の生成:キャラの一貫性を保ったまま表情バリエーションを量産できます
- 三面図生成:横・後ろの設定を固めてからデザインを確定できます
- アップロードした画像や生成結果がAI学習に使用されないので、依頼を受けた立ち絵の制作にも使えます
>AIイラスト制作サポートcopainter/コペインターを使ってみる<
まとめ
VTuber立ち絵で大事なのは、絵の上手さより「動かすための構造」を最初から意識して描くことです。パーツごとにレイヤーを分け、隠れている部分まで描いておく。この2点さえ守れば、Live2D化の工程はぐっとスムーズになります。
AI生成から入る場合も、レイヤー分けでPSD化すれば下地は作れます。ただし「隠れ部分の描き足し」と「パーツ単位の分解」は手作業が残ると考えておきましょう。