立ち絵の作り方|VTuber・ゲームで使える差分設計とAI活用のコツ
立ち絵の作り方を用途別に解説。素立ち・サイズ・余白の基本設計、表情・衣装差分を最初に設計する方法、AIでキャラ固定から差分量産までつなげる手順をまとめました。
立ち絵とは、キャラクターを全身・基本姿勢で描いた1枚のことです。VTuberの配信画面、ノベルゲーム、TRPGの探索者絵、SNSのキャラ紹介——「同じキャラを何度も使い回す場面」の土台になる絵で、普通の一枚絵とは設計の考え方が違います。
押さえるべきポイントは3つです。
- ポーズは「素立ち・ややナナメ」が基本:かっこいいポーズより、使い回しやすさが正義です
- 差分は「あとで足す」ではなく「最初に設計する」:立ち絵制作の成否はほぼここで決まります
- AIを使うなら「キャラ固定→立ち絵→差分」の順:順番を守ると量産が現実的になります
この記事では、立ち絵の基本設計、差分の設計方法、AIで作る場合の手順までをまとめます。
※2026年9月時点の情報です。
立ち絵とは?どこで使われるか
| 用途 | 求められる仕様の例 |
|---|---|
| VTuber・配信 | 縦長全身・透過背景。表情や口の差分を切り替えて使う |
| ノベルゲーム | 全身または膝上。表情差分が大量に必要(1キャラ5〜20種) |
| TRPG(探索者・PC絵) | 全身1枚+表情差分数種。セッション画面で小さく表示される前提 |
| キャラ紹介・設定資料 | 素立ちで衣装がよく見えること。三面図とセットだと理想的 |
共通するのは「1枚で完結せず、差分や別シーンで使い回される」こと。だから立ち絵は、決めポーズの一枚絵とは逆に、汎用性を最優先で設計します。
立ち絵の基本設計
①ポーズは素立ちが正解
直立からわずかに力を抜いた「素立ち」、体の向きは正面〜やや斜め(10〜30度)が定番です。理由は明確で、
- 表情・衣装の差分を作るとき、ポーズが素直なほど差し替えが破綻しない
- どんなセリフ・シーンにも合う(大きなポーズは使える場面を限定してしまう)
- 小さく表示されてもシルエットが読める
手の処理は「体側に自然に下ろす」「軽く胸の前」など、顔と衣装に被らない位置が扱いやすいです。
②サイズと余白の設計
- 全身がフレームに収まる縦長で作る(あとから膝上・バストアップに切り出すのは簡単。逆は不可能)
- 頭上と足元に少し余白を残す(配置時の調整代になります)
- 解像度は大きめに。縮小はできても拡大は劣化します
③「差し替え」を見越して描く
前髪が目に大きく被る、腕が胴の装飾に重なる——こうした「パーツ同士の重なり」は、差分づくりの敵です。差分予定のあるパーツ(目・口・眉・小物)は、他の要素となるべく重ならないように設計しておきます。
差分の設計(ここが最重要)
立ち絵制作で最初にやるべきは、描くことではなく差分表を作ることです。あとから「泣き顔も欲しい」となると、構造によっては大工事になります。
よく使う差分の構成例
| 用途 | 差分構成の例 |
|---|---|
| 最小構成(TRPGなど) | 通常・笑顔・困り・怒り の表情4種 |
| ノベルゲーム標準 | 表情6〜8種(喜・怒・哀・驚・照れ・真顔など)×衣装2種 |
| 配信・VTuber向け | 表情差分+目パチ・口パク用の目・口だけ差分 |
表情差分の具体的な作り方(同じキャラに見せるコツ)は表情差分の作り方で詳しく解説しています。
差分設計の3原則
- 変える場所を最小にする:表情差分なら「眉・目・口」だけ。輪郭や髪まで動かすと別人化します
- 差分はパーツごとにレイヤーを分ける:統合してしまうと使い回せません
- 命名ルールを決めておく:「chara_笑顔_制服.png」のように、書き出し後の管理まで考えておくと納品・運用がラクです
AIで立ち絵を作る手順
既にキャラクターのイラストが1枚あれば、AIで立ち絵化・差分化する流れが現実的になっています。順番が重要です。
- キャラを固定する:参照画像を用意し、同じキャラを安定して出せる状態を作ります(同じキャラを描く方法)
- 素立ちの全身を生成する:下のプロンプト例をベースに
- 三面図で設計を固める(任意):横・後ろも使う予定があるなら先に作っておくとブレません(三面図の作り方)
- 差分を生成する:「表情だけ変えて、他は一切変更しない」と部分指示で展開します
立ち絵生成のプロンプト例
| 目的 | プロンプト例 |
|---|---|
| 基本の立ち絵 | このキャラクターの全身立ち絵を作成してください。自然な直立の素立ちポーズ、体はやや斜め向き、腕は体側に下ろし、背景は白、全身がフレームに収まるように |
| 差し替えやすく | 前髪が目にかからないようにし、腕や小物が服のデザインに重ならないようにしてください |
| 表情差分の展開 | この立ち絵の表情だけを笑顔に変更してください。ポーズ・衣装・画風・輪郭は一切変更しないでください |
生成のたびに絵柄が揺れる場合は画風・絵柄を指定する方法を、生成後に線を整えたい場合はラフから線画を作る方法をどうぞ。
仕上げの注意点
- 透過背景で書き出す:配信・ゲームでは透過PNGが基本です。白背景で作った場合は切り抜きが必要になります
- レイヤー構造を保って納品する:差分をパーツレイヤーで管理したPSDがあると、発注者側で調整できて喜ばれます。統合済みの画像しかない場合は、レイヤー分けAIでPSD化する方法もあります
- 小さく表示して確認する:立ち絵は実際には画面の1/4以下で使われることが多いもの。縮小表示でシルエットと表情が読めるかチェックしましょう
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イラスト制作サポートツールのcopainterは、立ち絵制作の各工程をカバーしています。
- AIアシスタント機能でキャラの一貫性を保った生成・表情差分づくりができる
- ポーズ変更機能で立ち絵のポーズ調整も可能
- ラフ→線画・着彩・レイヤー分けなど、仕上げ工程の機能がそろっている
- アップロードした画像や生成結果がAI学習に使用されないため、依頼絵・商用キャラでも安心です
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まとめ
立ち絵づくりのコツは、絵を描き始める前の設計にあります。素立ち・やや斜め・余白つきの縦長という汎用性重視の基本形を守り、差分表を最初に作ってから制作に入る。この2点だけで、あとの工程が驚くほどスムーズになります。
AIを使う場合は「キャラ固定→立ち絵→差分」の順番を守ること。差分指示では「変えない部分」を明示するのが安定のコツです。